140文字では収まらぬ文になったので。久々にblogを更新する。
2020の春節を騒がせている新型コロナウイルスに関して、友人の先生から動画が回ってきた。
中国のコロナウィルスはネズミの病気らしいので
— 𝕋𝕠𝕣𝕠𝕜𝕦𝕟(固定ツイ14000再生Thx) (@mao_godai) 2020年1月23日
もしかして調理時に血などが付着していたせいではとか
考えられていたが
現地では高級食材のこの生きたねずみ(㎏=2800円)
たれにつけて踊り食いするのが普通らしい
そりゃ病気になりますわこの原人共が pic.twitter.com/HAhmMOffpd
コメントはおいといて、ネズミの仔を踊り食いする動画である。
SARSの時は、ハクビシンがウイルスの感染源だと疑われ、後に冤(むじつ)だと判明した例*1もあるので、個人的にはまだタケネズミが本当の犯人か信用してないが、それは置いといて、この動画を見て一つ悟るところがあった。
「これは幸田露伴の『珍饌会』にでてくる蜜蝍ではないか!」と。
『珍饌会』は明治37年に幸田露伴が発表した短編小説である*2
食通で知られる鍾斎大人。新聞記者の猪美庵と図って、正月の娯楽に、奇々妙々の珍料理の持寄り会をして、「人のまだ食わねえ誰も知らねえ、通の上の通、異の上の異なものを食おう」という<珍饌会>を企画する。
会の参加者は鍾斎・猪美庵に加えて、蝦夷通の無敵、洋行帰りの辺見、画家の天愚、そして我満といういずれも名だたる食通。彼らは「猿の唇と鶏の尻を筍と独活とともに柚子風味の甘煮にしたもの」「蝸牛の大きな奴を野蒜とバターで焼いたもの(今でいうエスカルゴ)」「マムシに香薬を加えてできた硫黄臭い月桂酒」「蝦蟇蛙と蓮根の鍋」等の奇食珍食を持ち寄ってきた。
彼らの奇食珍食を用意する苦労譚・滑稽譚と抱腹絶倒の会の様子は本文に譲るとして*3 実はこの小説に<蜜蝍>という料理が出てくる。