アニメ『鉄鍋のジャン!』第2話「火薬のようなやつら」を見る。
私はバンダイチャンネルで視聴しているため、放送から一週間遅れでの感想である。
今回は、料理評論家・大谷日堂の登場回。原作でも強烈な人物だったが、アニメになると、声と動きによって胡散臭さと迫力がさらに増している。これが昔はあんな美少年やったなんて…
- 大谷日堂と「よい味、日本」
- ツンデレヒロイン大谷日堂
- 初オープニング――小此木と楊がかわいい
- 霧子の「卵づくしの茶碗蒸し」
- 烏骨鶏は1990年代の流行食材だったのか
- ジャンの「羊の脳みその茶碗蒸し」
- 「フレンチのフラン」とは何か
- エンディングの西条真二先生の取材写真
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30年ぶりの「料理は勝負!」――アニメ『鉄鍋のジャン!』第1話「炎との出逢い」感想
「1995年――阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件。二つの厄災と、後に『失われた30年』と呼ばれる経済停滞に飲まれ始めた、この不安と混乱の時代に、新たな少年漫画が産声を上げた」
――アニメ『鉄鍋のジャン!』第1話「炎との出逢い」終盤ナレーションより
『美味しんぼ』に代表される、1980年代から90年代にかけてのグルメ漫画ブーム。その中で「バトルとしての料理」をより先鋭化させ、後の中華料理界にも影響を与えた作品が、1995年から『週刊少年チャンピオン』で連載された『鉄鍋のジャン!』である。
主人公は、目つきの悪い三白眼。笑い声は悪魔的な「カカカカー!」。そしてモットーは「料理は勝負!」。
勝負といっても、相手の料理人を負かすだけではない。料理を食べて判定する評論家や観客までも屈服させる「勝」である。ひどいときには食材の薬理効果まで利用し、食べる者の箸を止まらなくさせる。
それまでの料理漫画では、少年漫画の文脈にのっとり、ベビーフェイスの主人公料理人が「料理は人」「料理は心」を掲げ、ヒール役の料理人を倒すという設定が多かった。それに対し、『鉄鍋のジャン!』は、あえてアンチヒーローを主人公に据えた漫画である。
その作品が、約30年を経て、なぜかアニメ化された。
私を中華料理にのめり込ませた漫画が、まさか令和にアニメになるとは思わなかった。実は数年前、中華料理関係者からアニメ化の噂を聞いていたのだが、まさか本当に実現するとは。今後しばらく、放送に合わせて、主に作中の料理を中心に感想を記していきたい。
- 五番町飯店と霧子の飾り切り
- 「これ、もしかして料理?」
- 黄金炒飯と海鮮豆腐炒飯
- 熱い鍋を受け止める
- 洗い物を揃える
- 霧子の「爆双花」
- ジャンの「芹菜爆肝」
- 1995年という時代
- 料理再現協力
- ジャヌ東京「虎景軒」
- 中国菜 漢~Kan~
- 音響取材協力「なかの中華!Sai
- 協力「80C(ハオチー)」
- 原作漫画版の料理協力店
- 浅草橋「馥香(フーシャン)」
- シェラトン都ホテル東京「四川」
- 神田「雲林」
- 門前仲町「パッソ・ア・パッソ」
- 代々木上原「飄香(ピャオシャン)」
- 中華・高橋、日本橋「古樹軒」
- ホテルフロラシオン青山
- 青山「Chinese Restaurant Essence」
2026年6月後半の一日一論文:「終電と酩酊」「古代都城出土の扇」「山から海へ 川がつくる地形」「うどん研究からうどん学へ」ほか
6月後半の一日一論文。
生活改善運動、飲酒史、食文化、また地理学の講義用の準備で扇子に関する資料や国土地理院の解説など読む。
食文化では『うどん道』という学会誌を見つける。査読誌とのこと、うどん研究始めたら投稿するか。
写真は、上野駅でいつも食べているめりけんやのうどんとなす天。本場の香川のうどん屋らしく、とてもうまい。
水戸行の日はたいていここの冷やしぶっかけうどんを食べて出校している。2枚目は、水戸で初めて調理した、めひかり。水戸に来て味を覚えた魚の一つである。
とても気に入っている。


- ■6月16日 小谷融「沖縄県公文書館所蔵琉球政府金融検査庁文書 XVII――琉球政府貯蓄増強運動――」
- ■6月17日 右田裕規「終電と酩酊――20世紀の都市勤労層の時間規律的飲酒様式」
- ■6月19日 辻裕司「古代都城出土の扇」
- ■6月20日 国土地理院「山から海へ 川がつくる地形」
- ■6月22日 畦地真太郎「日本うどん学会第17回大会企画報告 ワークショップ『うどんの東西とその特徴』」
- ■6月23日 小島みく「うどん/脱構築」
- ■6月24日 小島和男「うどん研究からうどん学へ」
- ■6月26日 浅岡みどり「イチゴと日本人――移民・農家・ショートケーキの歴史から――」
- ■6月26日 石井啓豊「図書館情報学の再規定による知識情報学の展望」
- ■6月29日 宮田勉・鈴木裕己「未利用・低利用魚介類資源の利用意義・発生要因・流通改善に関する一考察:先行研究レビューおよび事例分析によるアプローチ」
- ■6月30日 中川紀子「茨城の郷土料理」
2026年5月末から6月前半の一日一論文:「中国の食―首都北京の今昔」「『幸運の手紙』についての一考察」「古代の太平山と山岳信仰」ほか
2026年5月末から、以前続けていた「一日一論文」を復活させた。
以前はXで複数投稿に分けて紹介することが多かったが、今回はChatGPTの手も借りながら、短めの紹介文としてまとめていくことにした。
目的は、面白い論文や資料を紹介することだけではない。自分の研究の備忘であり、講演・授業・調査の準備であり、その時々に何を読み、何を考えていたのかを残す研究過程の記録でもある。
まずは、2026年5月末から6月前半まで。
この時期は、中国の食と酒、食文化、フードスタディーズに関する論文を読んだ。また、6月初旬には狛江市歯科医師会市民健康フォーラムで「葉書を書くと歯痛が治る⁉――民俗学からみる医療とくらし」という講演を行ったため、歯痛・まじない・幸運の手紙など、俗信に関する論文も読んでいる。
そのほか、神風連、栃木の太平山信仰これは今後の研究につなげたい。
また天文学技術の社会応用など、その時々の関心や仕事に応じて読んだものもよんだ。

- ■5月27日 木村春子「中国の食―首都北京の今昔」
- ■5月29日 黃振誼・吳佳瑩「中国白酒産業ブランド若返りの道:貴州茅台を例として」
- ■6月1日 平井太郎「村落研究によるフードスタディーズの豊饒化」
- ■6月3日 佐々木大樹「民間信仰における胎蔵大日五字真言」
- ■6月4日 丸山泰明「『幸運の手紙』についての一考察」
- ■6月5日 辻本侑生・樋口潤一編著『福井県の焼畑――その歴史と未来を考える』
- ■6月8日 渡辺理絵「焼畑農業による温海カブ生産の存続要因──山形県鶴岡市温海地域を事例として──」
- ■6月9日 三澤純「散髪令考」
- ■6月10 日 Bethany Downerほか『天文学の技術と私たちの生活――医療からWi-Fiまで』
- ■6月12日 渡辺瑞穂子「古代の太平山と山岳信仰」
- ■6月13日 山口晋・田上善夫・湯澤規子「座談会 お酒と地理を語る・お酒で地理を語る」(『地理』68巻12号、2023年)
【2024年6月/7月】今月の一日一論文(下)
2024年6月/7月の一日一論文。けっこう記録漏れがあったので、6月7月まとめて、掲載する。(長くなったので上下に分ける)
写真は、上野で食べた中華の茸火鍋。詳しい人に言わせると、やはり中国で食ったものの方が日本にない茸があっておいしいそうだ。


- 南直人 朝倉先生からいただいた食文化の知的財産
- 小野真知子 中国雲貴高原に発生する食用茸類の種類とその調理法 第 1 報 、第2報
- 佐野 賢治 鰻と虚空蔵信仰 : 禁忌の歴史民俗学的一考察
- 須藤 定久 琵琶湖の砂と砂浜 -後背地の地質と湖浜砂-(砂と砂浜の地域誌(3))
- 松下 幸子いわしの郷土料理の系譜
- 西澤治彦 食事文化史からみた中国の南北
- 奥村公英 滋賀県地場産業の地理学的研究―存続理由の考察を中心にして―( 兵庫教育大学地理学研究室研究報告, 2001)
【2024年6月/7月】今月の一日一論文(上)
最近、一日一論文を復活させたので、中断前、2024年のものでまとめ損ねていた一日一論文をまとめる。
結構いいコメント書いてるな。
そしてこのころは、著者の略歴や著作確認までやっていた。(ここまでの物を今後もやるかは未定)。
なお「一日一論文」と言いつつ、ここでは論文に限らず、論考・インタビュー・講義資料なども含めている。
- 荒川の人(288回)作家・翻訳家 南條竹則さん
- 南條竹則 「緑雨とサルボウ」(文豪と食36回後編)
- 高井寿文 日本の都市空間における日系ブラジル人の空間認識
- 金泰虎 日本社会における韓国系の肉食文化―外食業の焼肉屋のメニューを手掛かりに―
- 橋本 慶子, 向井 由紀子箸の文化 くっきんぐるうむ 箸の文化
- 小島政孝 多摩の武術
- 吉川泰弘 『感染症を学ぶ』
- 松川里花子 京都扇子業の地域的性格
- 吉田宗弘 豚肉と日本人
- 中町泰子 図像から考えるモノと技術-伏見の煎餅職人の道具と技術から
2025年リツイートが100以上あったtweet(post)
年の暮れである。
今年は国立国会図書館からの転職。栃木の短期大学教員へ。そして11月の父の死と激動の年であった。
講義準備や新しい環境に慣れるのに追われたが、研究だと、ニコニコ動画への出演、VTuber諸星めぐる氏のチャンネルへの出演、ぶどう学でのFMくららなど、メディア露出が多かった年であった。また新しい調査地として会津喜多方の調査ができたのもよかった(論文も間に合った)。
研究者としてはまだまだ駆け出しだけど、がんばるぞい!
さて、去年にひきつづき、今年も「リツイートが100以上あったtweet(post)」を見て行こうと思う。
- (1)図書館時代のカスハラ案件
- (2)国立国会図書館の書庫の火災消火装置
- (3)国立国会図書館の納本や寄贈について
- (4)因習村の語について
- (5)学芸員課程や司書課程、ファンが増えないとプロも増えないよという問題
- (6)ネイチャージモンと羽曳野
(1)図書館時代のカスハラ案件
非常勤さんに、利用者が書類と一緒に自分のプライベートの連絡先のメモを渡す事例に遭遇した。
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年4月9日
優秀な非常勤さんだったので、職場の女性陣全員にメモは回覧され(回覧後廃棄)正規スタッフや上長にも情報共有され、その利用者がお見えの時はスタッフがぞろぞろ非常勤の背後につくという体制が組まれた
前職の昔語り。この非常勤さんも今は退職して、郷里に帰られたはず。豪徳寺の自宅に伺って餃子パーティなどを職場の皆でしたのが懐かしい。
(2)国立国会図書館の書庫の火災消火装置
国会図書館も、書庫の火災発生時は二酸化炭素で消火する。
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年5月31日
規定では全員避難したあと消火スイッチを押すことになっていたが、避難確認は人による目視である。
書籍は失われたら永遠に手に入らないが、君等新人は来年4月にまたやってくる。と先輩におどかされた、新人飲み会…… https://t.co/eSiNQNNVfY
補足すると、東京本館の本館書庫は二酸化炭素による消火、新館書庫はハロゲン化物による消火、子ども図書館・関西館は窒素ガスによる消火である。
tweetは東京本館の本館書庫の話。ハロゲン化物とか窒素ガスの消火だと人体の影響は少ないとするが本当かしらん。識者の意見を俟つ。
(3)国立国会図書館の納本や寄贈について
国会図書館の納本、補足すると、代償金の場合は「100部刊行されていること」とかめんどいけど、無償ならば、少部数でも問題なし。
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年6月23日
「手帳、カレンダー、ちらし等の簡易な出版物」でなければ寄贈をするのが良いかと。
出版者以外が寄贈することも可能。その場合はこちらを参照。… https://t.co/oT2eOX6kWz
荒俣先生の蔵書処分問題をうけて、国立国会図書館への寄贈を検討される方もあるかと思いますが、原則、国会図書館で寄贈を受けられるのは、未所蔵か欠号の資料のみとなっています(蔵書を一括で寄贈したいは対応できません)… https://t.co/3WRXGZqhWd
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年10月15日
国会図書館への寄贈問題、一番の障壁になっているのは寄贈したい資料の目録作成と所蔵の有無の確認を寄贈者がしなきゃいけないという点です。(次が汚損などの資料の状態)… https://t.co/jcbHDPeHLv pic.twitter.com/eZiFXWpVfK
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年10月15日
国会図書館の納本制度と寄贈の話。在籍中、正式に資料収集の業務につくことはなかったけども、好きな仕事で、よく地方で、未納本の地域資料をみつけると入手して寄贈していた。
納本制度の普及と寄贈は今後も努めたい。
また、最近は「どの資料がこの図書館にしかないか」、大量の書誌データの突合処理に興味が出てきている。
各地の公共図書館でAPIを吐けない仕様のものはいまだに多い。
カーリルAIなどがそれをうまく補完するのかもしれないが、やはり書誌データをまとめて抽出し、職員や利用者が分析できるようするというのも図書館の務めだと思う(現在の勤務校もその機能はなく…)
(4)因習村の語について
「因習村」の話が炎上してると友人から聞いたので、今期妖怪オカルト研究部で話した「因習村」の諸問題構想メモを掲載。(発表時から一部修正)。「因習村」の創作ジャンルは必ずしも近年広まったものではなく、戦前から創作の世界では存在したものであることを示す pic.twitter.com/1ZJxyC4XqM
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年7月29日
また、都市にも多くの「因習」があることはすでに指摘がなされており、「因習村」という定義自体が本来ナンセンス(因習村=因習都市でもある)
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年7月29日
民俗学研究者や妖怪オカルト研究部として民俗に関連する者は
・「因習村」の語が非常に危うい言葉である
・「因習」は都市も田舎にも偏在する… pic.twitter.com/MVCwgyyAL5
ネットスラングの一つである「因習村」の語を、実際の地域にあてはめて使う事への注意を促したもの。実際に民俗調査をしているものとしてはそういう言葉を学生さんたちが無意識に・無邪気に使うのは、どうにも我慢がならなかった。メモ程度の粗いまとめであり、粗雑な部分も多かったので、研究者仲間や『ネット怪談の民俗学』の廣田先生からも種々ご指摘を受けた。恥ずかしいことである。今後研究をすすめていきたい
WEBでの因習村の語の流行が映画『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』の公開と一致するグラフが書けた。GoogleTrendsやNgrm Viwerを研究でバンバン使うきっかけとなった。

(5)学芸員課程や司書課程、ファンが増えないとプロも増えないよという問題
これ学芸員課程でも言われてて、私の先生はサッカーに例えてくれた。
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年8月20日
サッカーはプロ選手がいるが、それはサッカーを趣味にする人がいるからだと。その世界を楽しむ人口が増えないと、プロは生まれないと。
私が学芸員資格や司書資格の「普及」に拘るのはそこらへんから。… https://t.co/fTNqXimUDw
この考えは『りゅうおうのおしごと』を読んでいても感じた。あのラノベは普及の話がかなり丁寧に書かれている。
どんな業界でも、プロの育成と同時に、ファンへの普及もしなくてはならないと思っている。
(6)ネイチャージモンと羽曳野
ネイチャージモンのマンガがすごいことのひとつは、羽曳野のホルモン・精肉をきちんと取材してマンガで表現している点である。色々な面をうまく捨象して、ホルモンの肉の旨い町として表現しているのはさすがと思っている。一度食べに行きたいと思っている。 pic.twitter.com/KfJgnZjxjq
— 吉村風(酒徒吉風) (@syutoyoshikaze) 2025年9月28日
9月後半、突然Xで『ネイチャージモン』が話題になった。ファンなので便乗して呟く。ネイチャージモンの店のまとめもまだ後半だしてないや…
そしてホルモンたべたい。羽曳野のホルモンきっとおいしいんだろうなあ。そういえば品川のお肉の情報館もまだ行っていない。今度行こう。そして帰りに焼肉食べよう。
まとめると今年は真面目な話ばかりでリツートされてしまった。研究の部分だけでなくもっと呑気な話でリツイートされたいとも思う。
ちょうど今日は、飲み仲間との焼肉パーティである。
今年、いろいろつらいことも多かったが、リアルでもtwitterでも友人たちにとても助けてもらった。たぶん友人がなければ私はダメだったかもしれない瞬間もいくつかあった。
よし、焼肉たくさんたべて元気出すぞ!!