酒徒行状記

民俗学と酒など

北投温泉と古龍遭難の地<吟松閣>

『ばくおん』という漫画を読んでいたら、台湾の北投が出てきた。 ばくおん!! 台湾編【電子単行本】 3 (ヤングチャンピオン烈コミックス) 作者:おりもとみまな,太田ぐいや 秋田書店 Amazon この漫画、良くある「女子高生+バイク」漫画であるが、よほど作…

【2024年3月後半】今月の一日一論文:「水戸藩における試合剣術に関する一考察」「薬師寺修二会の存続基盤」「平成 26 年広島土砂災害に学ぶ」ほか

2024年3月後半の一日一論文。 先輩の弔いに栃木県佐野市にいったり、奈良の薬師寺で修二会を見たりして忙しかった。 薬師寺の修二会とてもよかった。また行きたい。 薬師寺修二会の鬼。松明もって大暴れである 【武道】 ■加藤寛 「剣道の礼式に関する研究と…

杖太刀をめぐる諸問題について

はじめに 杖太刀という語をご存じだろうか? 刀や竹刀あるいは木刀を杖のように地面に突く行為である。 私は幼稚園の時に剣道を少しだけ習ったが、竹刀をまたぐのと、竹刀を杖みたいに突くのをやるととっても怒られたことは覚えている。 で、杖太刀。 世の中…

【2024年3月前半】今月の一日一論文:「柄澤照覚の神誠館と高島暦」「地理的視点とご当地グルメ」「柳田国男と感染症」「女歌舞伎図の研究」ほか

【2024年3月前半】今月の一日一論文。 3月前半は「アウトリーチ」「ものもらい」「杖太刀」に関する論文を読んでいた感じである。 3月はバタバタしてたり、花粉症で体調最悪でいまいちだったが、改めて整理すると、なんとなく、結構今後の研究に繋がりそう…

【2024年2月後半】今月の一日一論文:「海のない地域に残る「海魚の食文化」」「甲州名物ほうとうと甲州味噌」「日本の伝統的魚介料理の地域的展開」「「義犬」 の墓と動物愛護史」など

【2024年2月後半】今月の一日一論文。今月後半は友人と山梨の石和温泉に遊んだので、それに関する記事がいくつか。 念願の山梨の甲府にぎりを、甲府の魚保という店で喰うことができた。 とても良かったのでまた行きたい。 マルスワイン蔵の除梗破砕機 写真は…

【2024年2月前半】今月の一日一論文:樋口清之「馬庭念流―上州の花咲ける古武道」須藤 明子「空気銃 : カワウの個体数調整」周星「花火と爆竹-民俗学の「中国問題」」陳建一 ; 南條竹則「対談 中華の祭典/素晴らしき食の世界 」ほか

2024年2月前半の#一日一論文。 先月でちょうど2023年11月~2024年1月まで、3カ月やったので、Twitter上で一日一論文のアンケートを取ってみた。 #一日一論文 3カ月続けたので皆様にアンケートをば。一日一論文。今後どんなふうに掲載するのがいいでしょうか…

【2024年1月後半】今月の一日一論文:「近江のオコナイに見る牛玉宝印」「〈長門・周防の民俗〉防長探訪記--山口で出会った人と物」「ワニ料理」など

1月後半の#一日一論文。 この時期は兄弟分の研究者と山口に旅行に行ったので、その下準備のため山口関係の資料を読む。 山口、いいとこでした。魚があそこまで美味しいとは。瀬戸内と日本海両方の魚が入ってくるので両方の味が楽しめるとは思いませんでし…

【2024年1月前半】今月の一日一論文

2024年の1月前半の一日一論文を載せる。 一日一論文、全て、twitterの引用貼り付けだと重くて見づらいというご指摘をいただいたので、記述方法を変えてみた。どうかしらん。 前半の論文で面白かったのは古田織部関連の論文。というか『へうげもの』がたまら…

【2023年12月後半】今月の一日一論文

12月後半の一日一論文をまとめる。 この期間は、かなり食文化関連の論文を中心に取り上げた。 なかでも麻婆豆腐論文がプチバズったのはびっくりした。みんな麻婆豆腐好きねえ。 写真は赤坂の陳麻婆豆腐の麻婆豆腐賦。 陳麻婆豆腐の麻婆豆腐賦(全景) 陳麻婆…

【2023年12月前半】今月の一日一論文

2023年11月の半ばからはじめた一日一論文。基本平日のみではあるが、1か月続けてやることができた。 2023年12月前半のまとめ。ひと月分でまとめてようと思ったが、一つの記事があまりに長くなりすぎるので、半月ごとにする。また今回からタグをつけた。 ここ…

鉄鍋のジャンの監修者、おやまけいこ(小山惠子)氏の事績について

1.はじめに 先の記事、第一回酒徒吉風(酔っ払いの舌)杯開催!(<米とサーカス>『鉄鍋のジャン』コラボ料理を喰う) - 酒徒行状記では鉄鍋のジャンのコラボ料理に関する記事を書いたが、この作品の面白さは監修者おやまけいこ(小山惠子)氏の力によると…

第一回酒徒吉風(酔っ払いの舌)杯開催!(<米とサーカス>『鉄鍋のジャン』コラボ料理を喰う)

はじめに 私は常日頃から中華料理を愛すことはなはだしいが、これは思春期に読んだ二つの本の影響を受けている。 一つは、南條竹則先生の『酒仙』および中華料理関係エッセイ。 もう一つは今からおおよそ30年前(1995年~2000年まで)週刊少年チャンピオンに…

【2023年11月】今月の一日一論文

今月から、#一日一論文 として、毎日1本、論文の紹介と概要、評価・感想を記してTweetしている。(平日のみ。。土日祝はお休み.調査とかいきたいし) 自分の研究の備忘とブラッシュアップと、面白い論文を他の人に紹介したいということで始めてみた。 酒や…

Wikipediaと百度における「サジー」の記載の違い(各国のWeb百科事典の記載の違いについて)

「サジー」という果物がある。グミ科の果物で黄色・黄金色の小さい実がつく落葉低木である。 最近はこれを絞ったジュースが健康にいいということで、豊潤サジーという商品名でTwitter(X)でも広告が流れたりしているので、知っている人も多いかもしれない。…

プリゴジンのホットドッグ―エフゲニー・プリコジンのカバーストーリー「料理人」をめぐって

世界最強の料理人が死んだ。 エフゲニー・プリゴジンが暗殺されたのである。 はじめに エフゲニー・プリゴジン。別名「プーチンの料理人」。 1980年代、殺人や詐欺などで服役したあと後、1990年にホットドッグチェーン店を開き、食料品チェーン「コントラス…

アニメの背景と地理学

大学の地理学の講義でアニメを活用している。 私が担当している地理学の講義では地理院地図の読図をさせる講義があるのだけど、その中でいくつかアニメを活用している。 一つは『ゆるキャン△』。 この作品の第一話は浜松から山梨県南部町から引っ越してきた…

人生初のカキ氷屋で、昔なじみのバーテンダーと再会する

かき氷を普段あまり食べたことがなかった。 かき氷の専門店というのも存在は知っていたが、まあ、かき氷なんてのは祭りの出店で食えばいいのであって、専門店行って高い金を出すくらいなら、バーでうまいフローズンカクテルの一杯も飲んだ方がましだと思って…

今後日本で流行ってほしい中国料理(1)—三杯皮蛋

汁無しタンタンメン、よだれ鶏、炸鶏排、米線…近年、中華系の方々が増えているせいなのか、様々な中華食材や中華料理が日本に定着していて、中華料理好きとしてはうれしい。 とくに、大好物のよだれ鶏(口水鶏)が定着しつつあるのはとてもうれしい。 よだれ…

うさばらし中野飲み歩き

仕事の事やらプライベートの事やら問題が同時多発的に起きてしまい、どうも気が滅入いる。 こういう時は、何をしてもだめなので安易に酒をのんだくれて、回復に努めることにする。 というわけで飲んだくれうさばらし中野飲み歩き日記。 --- 終業後、途中駅の…

関西将棋巡り(下)

関西将棋会館とイレブンを後にした翌日、私は、通天閣に関西に住む友人と行った。 友人はずっと関東住まいであったが、最近京都に就職が決まって上方に移った人間で、ようよう京都には慣れてきたが、大阪はあまり来たことなく、まだ通天閣も上ったことないと…

関西将棋巡り(上)

承前 将棋好きの人はもうご存じだと思うが、2024年、日本将棋連盟100周年を記念して東京の日本将棋会館と大阪の関西将棋会館が建て替えられることになっている。 東京千駄ヶ谷の日本将棋会館は、現在の位置からほとんど変わらない、千駄ヶ谷の駅前の千駄ケ谷…

中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(4)牛栏山二锅头、紅棒槌酒、劲牌、酒鬼酒、天津高粮酒、玫瑰露酒、竹叶青酒、桂花陈酒、绍兴酒

このページからご覧の方は、中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(序)からご覧ください。 sake-manga.hatenablog.com 「中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(4)」は、私があまり飲んだことのない白酒と…

中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(3)孔府家酒、老龙口、紅星二鍋頭、金門高粱酒、江小白

このページからご覧の方は、中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(序)からご覧ください。 sake-manga.hatenablog.com 中国酒「「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(3)」では、その他、恣意的に私が好みの白酒…

中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(1)茅台・五粮液・舎得シリーズ

本ページからご覧の方は、中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(序)からご覧ください。 sake-manga.hatenablog.com 1.茅台シリーズ ・茅台酒 繁体字:茅臺酒 ピンイン:máotái jiǔ ピンインカタカナ表記:マオタイ ヂウ 日本語漢字…

中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(序)

<巻頭言> 最近、よく日本中国白酒協会さんのイベントにお世話になっている。 参考:日本中国白酒協会公式サイト 乾杯白酒[ばいじゅう] その関係で日本中国白酒協会の中心人物の一人、中川正道さんが「1日限定白酒bar」を四谷ハリスタでやると聞いて、伺…

中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(2)四大銘酒(茅台を除く)・八大銘酒の一部(剑南春・郎酒・泸州老窖、明江四川白酒、洋河大曲))

本ページからご覧の方は、中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(序)からご覧ください。 sake-manga.hatenablog.com 中国では1952年に「国家酒評定会」という会が行われ、貴州茅台、山西汾酒、四川瀘州大曲酒、陝西西鳳酒の4つが「…

鳥類の味の多様性を求めて

去年から水道橋のカフェバー<BASE CAMP>のA-Sukeさん( @A_suke_BaseCamp )に鳥のエアライフル猟につれて行ってもらっている。 www.cafe-basecamp.com 考えてみると、我々は普段、鳥は鶏肉ばかりを食べていて、それ以外の鳥類について味を知らずに生きてい…

八王子巡検のみあるき

八王子の町をめぐる巡検講義をここ4~5年やっている。 八王子はあまり縁のない街だったのだけど、下見なども含めて、10回以上行ってるので、だいぶうまい店も知ることができた。 たまたま八王子に住む友人に、八王子のお勧めな店を情報提供したので、ここに…

「话不多说 都在酒里」(話は多くを説かず、都て酒中にあり)-「第二弾白酒イベント中国茶房8で羊を齧り白酒で乾杯しよう!!」に参加するの記

日本中国白酒協会の「第二弾白酒イベント中国茶房8で羊を齧り白酒で乾杯しよう」の参加記です。

【作成中・いずれ追記】湯島聖堂の中国料理研究部をめぐって(1)中国料理研究部を主宰した原三七について

" id="はじめに">はじめに " data-en-clipboard="true"> 先日、ヒロオカ@shirlywang氏(広岡今日子氏)が、幼少期、湯島聖堂の中国料理研究部で食事をされた写真とツイートをtwitterに上げられた。 昔湯島聖堂で中国料理を出していたというのはほとんど伝説…