酒徒行状記

民俗学と酒など

【2024年2月前半】今月の一日一論文:樋口清之「馬庭念流―上州の花咲ける古武道」須藤 明子「空気銃 : カワウの個体数調整」周星「花火と爆竹-民俗学の「中国問題」」陳建一 ; 南條竹則「対談 中華の祭典/素晴らしき食の世界 」ほか

 2024年2月前半の#一日一論文。

 先月でちょうど2023年11月~2024年1月まで、3カ月やったので、Twitter上で一日一論文のアンケートを取ってみた。 

 8票の意見ですがアンケート記入して下さった方はありがとうございます。
「今後も続けると良い」というのが多くて嬉しいことです。励みになります。(おもろないからやめなはれ、というコメントも覚悟していました。) 

 ツイートの長さについてはなるたけ短くするよう努力しつつ…どこまでできるか…

 頑張りたいと思います。

  写真は論文でも取り上げた、曲げわっぱの弁当。塩鱒がとても旨くできた。つけ物中国の学生飯下菜。この弁当美味しいけど、塩分多いんじゃないかというのが目下の悩みどころ。 

曲げわっぱの弁当

 

【武術】

■#一日一論文 樋口清之「馬庭念流―上州の花咲ける古武道」(『生きている歴史 : 日本の伝統のイメージ』3人物往来社1967)

 

 #一日一論文 樋口清之「馬庭念流―上州の花咲ける古武道」(『生きている歴史 : 日本の伝統のイメージ』3人物往来社1967) dl.ndl.go.jp/pid/9581550/1/ (個人送信) 歴史読本に掲載された伝統工芸、芸能、信仰などの取材記事ををまとめたもの。

 本稿では馬庭念流24世樋口昇氏へのインタビューを中心に、氏の母チエ夫人の薙刀や、当時念流の四天王とよばれている高弟が実名で出ているのが特徴。 矢留の術についても鮮明な写真が掲載されている。(矢を射る打手と剣で防ぐ仕手を横の形で写したものはあるが、打手の後ろから見たアングルは珍しい。

 11代兼重~17代貞次までは一時、新当流に移っていたという記載があるが、これは知らなかった。

 同連載には「北辰一刀流―東京下町に生きる剣豪」と題して、門前仲町にあった柳沼道場(東武水明館)柳沼鉄水氏へのインタビューもある。 水戸東武館玄武館(杉並)以外にも北辰一刀流を伝える道場が近年まであったことが伺えて面白い。文中の小林節子氏は女性七段とのこと.

 

note.com

 この柳沼道場は出久根達郎なども通ったそうである。江東区南砂の南砂剣豪会が関連があるようであるが、この会が北辰一刀流を今も伝えているかは不明
南砂剣豪会  

nangou513.sakura.ne.jp

 また、もう一つ当時、7回目になる全国古武道演武大会のルポ(「各流武道大会―秘芸開帳に興奮の渦」)では全国古武道演武大会の前身として、内務省官僚の松本学や鹿島神流の国井善弥、念流の川内鉄三郎などが中心となって戦前に立ち上げた「古武道振興会」について

 「日本には昔から古武道振興会というものがあった。この会の発足は戦前の昭和10年である。軍国的趨勢とともに隆盛の一途をたどったこの振興会も終戦とともに解散しなければならない運命にあった」 と触れられている 日本古武道協会の前身として振興会が語られることはあまりないので、少し珍しい

 なお、掲載後 

とのtweetを見つける。残念ながら古武道の方は伝承はされていないとのことである。

【食文化】【狩猟】

■#一日一論文  須藤 明子 空気銃 : カワウの個体数調整

 琵琶湖で漁害・環境被害となっているカワウの個体数調整を、エアライフル(空気銃)によるシャープ・シューティングによって行ったとするもの。 本論文では、2009年~2012年の間に3万5000~4万5000羽で推移していた琵琶湖のカワウを1万羽に減らすことができたとする。

 本論文ではシャープ・シューティングの具体的な方法については記載がないが、 ・従来の捕獲では散弾銃で、成鳥・幼鳥・ヒナの区別無く捕獲していた ・発砲によるカワウの飛去行動を抑制するため、発砲音が小さく射程距離の長い高性能空気銃(エアライフル)による精密狙撃法を導入する

・カワウの繁殖状況に応じて戦術やスケジュールを変更する ・射手と補助員が2名1組となって行動し、全ての射撃について必要な記録を正確にとる体制で行う  .

【参考】琶湖におけるシャープシューティング 須藤明子

https://www.env.go.jp/nature/choju/cormorant/report/h24report_kawau_08-09.pdf

 と、獣害駆除にエアライフルをうまく生かした事例として興味深い。 また娯楽としてのハンティングではなく、生物多様性保全のための野生動物管理(狩猟)という考えも面白い 「野生動物を発見するコツは「必ずいる」と確信して探すことだ」というのは肝に銘じたい。

 なお、SS(シャープシューティング)の定義は本来はエサなどで誘引して効率的に補佐して、「銃の脅威を覚えた野生固体を作らない」であるようだ。 env.go.jp/nature/choju/c

 しかし、

・ただでさえハンターが減ってる中、SSができる専門家をどう維持・育成するか?

・イノシシ・シカ・クマを獲りたがるハンターの中で、(大型獣より格下の獲物とみられやすい)鳥類をとるモチベーションをどうするか

・肉にも金にもならない鳥をハンティングするというモチベーションをどう維持するか?

 といった疑問もわく。(ハンターと生物多様性保全スペシャリストを分けるべしという考えかもしれないけど…)こうした点は、今後の課題のようにも感じた。

 筆者は日本イヌワシ研究会の事務局長なども務める人物とのこと。

 論文にイヌワシの生息地保全 

jstage.jst.go.jp/article/wildli

 野生動物管理のための狩猟学

 jstage.jst.go.jp/article/wildli があるとのこと『 野生動物管理のための狩猟学』は一度読んでみたい。

【中国文化】

■#一日一論文  周 星「花火と爆竹-民俗学の「中国問題」」

 春節などで爆竹を鳴らすという伝統が、都市において伝承・継続され、拡大されると同時に、都市化の中で規制されたことを事例に、中国における法治の発展と伝統的な民俗文化との間の複雑な力関係を研究したもの。

 本論では花火と爆竹をもとに、「民俗学者の立場の特徴と限界性を示唆し、民俗学文化人類学の関連研究が「法律と民俗」「国家と民俗」など課題意識を取り入れなければならないことの重要性を提示する」とする

 中国では竹を焼いたときの爆発音により悪霊を払うという儀式が、周代にすでに見え、宋代より、火薬を使用した爆竹や花火につながったとする。 花火と爆竹は、春聯や年画、秧歌、餃子と団子などと一緒に、新年の基本要素と見なされており、各種のセレモニーや結婚などにも欠かせないものとなっている。

 一方で爆竹に対する規制は、規制する→限定的な規制にする→環境問題などの観点から再び規制するというように揺れ動いており、中国社会において公共性と伝統文化について花火や爆竹をめぐる社会論争を巻き起こしている。

 その上で、中国の民俗学者は、「現代都市社会に面した時に力不足になったため、関連する問題の議論に対してしばしば「失語」の状態に陥っているとする」とし、これらの都市社会における民俗や民意を研究することが、現代中国民俗学文化人類学および法学研究の意義であるとする。

 日本でも、1970年代より倉石忠彦・宮田登らにより都市民俗学が提唱され、都市社会をどのように民俗学で扱うかといった点が議論されたが、本論文は中国の民俗学の特徴として「(現代)政治」と民俗(民意)の問題により強く踏み込んだものとなっている。

 日本民俗学と中国の民俗学と国は異なるが、「(現代)の政治」や政策と民俗の関連性を見る視点は、杉本 仁の「選挙の民俗誌』や、祭礼における「暴力」と規制の問題などにも接続するものと考えられる。

 周星先生は中国民俗学, 中国文化人類学の研究家として現在神奈川大学にて教鞭をとる。中国民俗学は佐野賢治先生等に少し教わったが、まだ私も不勉強なので論文を確認してみよう

nrid.nii.ac.jp

けっきょく買っちゃった(まだ読めていない)

 

【食文化】

■#一日一論文 陳建一 ; 南條竹則/「対談 中華の祭典/素晴らしき食の世界 」 『新刊展望 39(7)(596) 

 今日は論文ではなく1995年の陳健一南條竹則の対談から。 南條先生が『満漢全席』を出版された後なので、ラクダのこぶを喰った話なども出て来る。陳氏の話では1kg15,6万円とのこと。 四不象は食べたが象はまだとのこと。この記事では雲南にいけば食べられるようだが今でも食べらえるのかしらん。

 この時代、まだ、四川の香辛料が手に入りにくく、陳氏が四川に買い付ける話なども出て来る。現代からすると隔世の感がある。 また(本文中名前は出ていないが)楊州飯店や留園など、今は無き名店の名前も出て来て懐かしい。上野毛の吉華は閉店したが、自由が丘なら味を引き継いでるかしら。一度行こう.

 満漢全席』は南條先生が、『酒仙』で第5回ファンタジーノベル大賞優秀賞を獲った賞金で満漢全席を杭州に食べに行ったものを記した短編小説集(満漢全席の描写はかなりノンフィクションに近いとの話)。持っていない人は今すぐ古本屋にGO。 私は『猪脚精』の話が好き。あれを読むと豚足齧りたくなる

 また、南條先生が翻訳したアン・リーの『飲食男女』の訳にまつわるエピソードもあり。 「魚翅(フカヒレ)から龍鳳呈祥に代える」シーンにそんな背景が… 小説をもとにした映画『恋人たちの食卓』また見たくなってしまった。こちらも未見の中華好きにはオススメ。

 鉄鍋のジャンも、この対談も同時期なんだけど、鉄鍋のジャンラクダの瘤の回鍋肉、キロ15万とすると、一皿幾ら位になるんだ。超高級。  

pic.twitter.com/4VJHiLp9GF

■#一日一論文 山下清海 東南アジア華人の食文化に関する地理学的考察―シンガポール・マレーシアを中心に

 世界各地のチャイナタウン研究で有名な山下清海氏が文化地理学的観点からシンガポール・マレ ーシアの事例を中心に、東南アジア華人の食文化 の特色について明らかにするこ とを目的とした論文。
 本論文では、東南アジア華人を方言集団で区分し、福建人の「福建麺」「肉骨茶」、潮州人「裸条」、広東人「飲茶」、海南人「海南鶏飯」、客家人「醸豆腐」のように、出身地の食文化の伝統が食文化として維持されていることを示す。
 また、ニョニ ヤ料理のように、他民族から影響を受けるとともに、シンガポールの海南人が、帰郷し、コーヒーを飲む習慣を島に持ち帰った事例のように、「帰国華僑」が食文化を僑郷に伝播する役割を果たしていることを示す。
 近年、岩間一宏『中国料理の世界史』(2021)が刊行され、また地球の歩き方で『世界の中華料理図鑑』が刊行される(2023)など中国・台湾に留まらない、世界における中国料理に対して関心が深まっている
 本論文は1998年の段階で東南アジア華人の食文化 に着目し、世界における中国料理研究の先鞭となった点に意義がある。 また地理学的視点として方言集団に着目して分析を行ったのも特徴的である。方言集団による分析は、「ガチ中華」などの研究でも大事な切り口となると考えられる。

■#一日一論文 荒井, 茂夫、林, 孝勝 マレーシア華人料理における香辛料利用の特徴

 マレーシア華人の料理の香辛料利用の特徴を中心にニョニヤ料理、客家料理の「擂茶」、華人が作り出した「骨肉茶」(バクテー)について現地調査を行い、文化背景を考察したもの。

 ニョニャ料理とは15世紀のマレーシアやシンガポールで中華圏移民の男性(ババ)と現地女性( ニョニャ)との混血により成立したプラナカン文化の料理を指す。
 本論文によると、ニョニヤ料理の特徴は「母の味」(マレー文化)と「父の好み」(中国文化)の混合とされる。その上で中華料理は本来香辛料を多用するものではなく、香辛料の使用は薬膳が中心となる。薬膳研究に向かってしまうなら、マレーシア華人の料理及び香辛料使用の特徴を探ることにはならず、「マレーシア華人が日常食べている料理の中にこそ長い定住の歴史がもたらした食文化の変化や香草、香辛料の応用を発見することができる」とする視点は非常に面白い。
 またババは血統的にマレー人に同化してはいないが、マラヤに帰属意識を抱き、英語教育を受け、華僑とは違った外観(服装、生活スタイル)と価値観を持っていた。 そして、近代化政策の中で、正統マレー語の教育を受けババマレー語を失い、独自性やコミュニティを喪失する。
 しかし、ニョニャ料理・擂茶(茶葉、米、生姜などを使った茶粥の一種)が、ババの中でも客家アイデンティティの象徴となっているという本論文の記述は「料理とエスニシティ」を見る視点として重要である。
 骨肉茶を出す店はいくつか日本でもあるが、ニョニャ料理・擂茶を出す店はたぶんほとんどない。 小学生のころシンガポール・マレーシアに行ったことがあったが、プラナカン文化については意識していなかった。
 今思い出すと、そのころ、父のいたシンガポールのエメラルドヒルは完璧にプラナカン様式の建築群の地域である。 再び、現地に行く機会があれば、解像度を上げて観察をしようと思う。
 荒井茂夫氏は東南アジア華人や華僑の研究者。特に華人文学について「華文文学研究の理論的課題」「華文文学研究のパラダイム」などの論考がある。林孝勝(Lim Howseng)氏は華人・華僑研究者として『東南亜華人与中国』などの著作がある。
 
 なお、本記事を掲載した後Chatterdog@keiko_nishimoto氏より以下のツイートをいただいた。 
 

 私は知らなかったがマレーシアのダンプリングは粽を指し、また5/5はダンプリングフェスティバルを行うらしい。(端午の節句のマレーシア版だね)

 allabout.co.jp これも気になる料理と風習である。

 ■#一日一論文 バーテンダーという名の職業(間庭辰蔵『カクテルの本』婦人画報社1959)

 

 「映画やTVでもキャバレーやバーは悪の場そのものであり、闇取引、密貿易、ギャングの溜まり場として取り扱われ、ここに働く我々バ-テンダーは、片棒かつぎ、遊び人、悪玉として登場することが多い」とし、当時のバーテンダーが地位的に白眼視されていた時代背景を記す。

 当時のバーテンダーの実際の一日の生活スタイルを記すことで、バーテンダーは「働く時間こそずれていても、普通の平和な青年サラリーマンであり、家庭のオヤジである」としている。

 また、1900年初頭、日本にバーテンダーが生まれた頃、外国人バーテンダーに弟子入りした世代の弟子時代の苦労とその次の世代の徒弟制の指導の厳しさを記し、バーテンダーは「客の舌をとらえる」と同時に、食品、衛生、栄養、調理一般に通じ、また社会一般にも通じねばならないとする。

 その上で、バーテンダーが理想的な一般人間像と違うところは「解釈のしようで「毒にも薬にもなる」酒を人に勧めねば商売にはならない」としている。

 間庭辰蔵は以前私が書いた論文(「明治から昭和前期のカクテルブックに見るカクテル文化の成立」tcu.ac.jp/tcucms/wp-cont )では、バーテンダーであることと、バーや洋酒に関する著作を多く記していること以外、経歴が不明であったが、本著には顔写真とともに経歴が掲載されている。

間宮は1930年9月東京都大森生まれ。1933年、父母と渡満し、吉林中学校卒業後、海軍飛行隊で終戦。 1948年。バーテンダー見習として、米軍クラブに入り、1959年当時は西銀座8丁目「葡萄屋」にてバーテンダーを務める。また日本バーテンダー協会の広報部長を務めているとのことである。
 バーテンダーの理想像、職業人としての在り方は、城アラキの漫画『バーテンダー』の主要テーマの一つとなっている。 間庭には「バーテン」と「バーテンダー」の違いについて次の文もあり。
バーテンダー残酷物語 / 間庭辰蔵/p30~31 Hotel review = ホテルレビュー. 14(158)
 

dl.ndl.go.jp

民俗学】【工芸】

■#一日一論文 鈴木, 敏彦、日原, もとこ、斉藤, さだむ 東北の素材とかたちの研究 その 1/大館の曲げわっぱ

 東北芸術工科大学で東北の地場産業を調査し、新しいデザインを提案したもの。調査としては、曲げわっぱ、ぶなこ、こぎんざしを調査し、曲げわっぱを選定。 曲げわっぱ生産者(柴田慶信商店)と共同で新しいMAGEWAPPAとして新規のデザインを開発した論文。

 曲げわっぱの材となる、200年物の秋田天然杉は平成19年に枯渇し、100年ものの白太(年輪の白い部分)の多い秋田杉でしか曲げわっぱが作られなくなるとのこと。

 実際、平成25年には国の天然秋田杉の伐採計画及び供給が終了。現在は大館曲げわっぱはすべて、人工造林による人工杉での曲げわっぱ制作になったとのこと。 また、本論文は研究者側と生産者側の意見交換が非常に面白い。研究者が作った案を「(秋田杉では割れるため)私たちの入っていく分野ではないと思った」といった丁々発止のやり取りが非常に面白い。(これ、喧嘩してねえべか)

 茶道具についても「自分でこれが良い、と思っていても(茶道の)家元が気に入らないと世には広まらなないという世界がある。通常蓋ものはそういった形のものである」という話もある。その後に続く、研究者と生産者の応酬も必読である。
 また、本論文の特徴として、写真家による写真を使用しているため、掲載されている写真が非常に美しいというのがある。本来ならカラーで掲載すればよかったのにとも思う。 最終的にはニューヨークのコンテンポラリーファニチャー・フェアに持参、またJRの東北キャンペーンポスターに採用。
 なお、(その1)とあるが2以降については不明。本論文の「ぶなこ」については知らなかった。昭和30年代に青森県工業試験場で考案された木工品とのこと。
 

www.pref.aomori.lg.jp

鈴木敏彦氏は建築家・デザイナー。北欧のデザインの紹介をしているようである。現在は工学院大学教授。著書に『世界で一番美しい建築デザインの教科書』などがある。 atelier-opa.com/suzuki.html

日原もとこ氏(R4没)は環境色彩学が専門。山形の景観の保全などに尽力したとのこと。 『色彩科学事典』・『まちの色彩作法』などの著作有 民俗学の菊池和弘氏が追悼ページを記している。

 

tokyo2020-6.themedia.jp

 また、このツイートの後、DO@norest🍉🍉 (@ODnorest) 氏から、以下の情報を教えてもらう。 

  これについては、下記の林野庁の調査にも詳しいが、天然杉が現在枯渇しており、やむなく人造林の80年~100年物の杉(人造杉)をわっぱの材として使用しているが、人造杉は天然杉に較べると、(1)「曲げ」の工程で折れやすい(2)年輪幅が広く点天然杉と比較すると美観に劣る(3)心材は使えないが、径級の細さから板にできる部分が少なく、歩留まりが悪いという問題がある。

 これらについては、まだなかなか解決には至ってないようだ。

 大館曲げわっぱ協定”に基づく適材木の供給に向けた取組

https://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/sidou/attach/pdf/h27_happyoushuu-17.pdf

  また、てぁん@MonhanJosi_Tean氏とのやり取りで、秋田の能代春慶塗が途絶えていることを知る。

  この報告書も辛いものがある。

 今のうちに漆器類揃えようかなと少し思い始めている。