酒徒行状記

民俗学と酒など

2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(3)-漢方薬「鹿胎」

承前 さて、「 鹿の胎児(ハラコ)を料理する(1)-生薬とシカウチ神事 - 酒徒行状記」、前回「鹿の胎児(ハラコ)を料理する(2)-ジビエブームと鹿のハラコ料理 - 酒徒行状記 」で日本での鹿のハラコの利用について、調査をしてみたが、お隣中国ではど…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(2)-ジビエブームと鹿のハラコ料理

承前 さて、鹿の胎児(ハラコ)を料理する(1)-生薬とシカウチ神事 - 酒徒行状記 で見た通り、日本においても伝統的には、生薬または儀礼食として鹿のハラコを食する文化は存在したようであるが、現在のジビエブームにおいては鹿のハラコ料理はどのように…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(1)-生薬とシカウチ神事

はじめに カフェバー『BASECAMP』 www.cafe-basecamp.com のマスターA-sukeさんから「ハンティングで鹿を仕留めたら、妊娠していて腹に胎児(ハラコ)が入っていた。このままだと捨ててしまうけど、料理して食わないか?」とお誘いを受けた。 A-sukeさんは、…

Messieurs ç'est L heure(紳士諸君(禁酒法の)時間だ)-アブサン禁止令を皮肉ったポスターより

アブサン話続き。 1.カクテルとアブサン 以前、大正時代のカクテルレシピブックを研究した時*1、カクテルのレシピで、アブサンが多く使われていることに気が付いた。 アブサンの一般的な飲み方としては、水で割って白濁させて飲む、あるいは角砂糖と一緒に水…

アブサンツアー

友人から、「アブサンを飲みに行かないか?」と誘われた。 聞けば友人、実は今までアブサンという酒をを知らなかったが、イギリス人の知り合いに「日本であんなにうまいアブサンが飲めるとはしらなかった。大変いい店を見つけた」と言われ、がぜん、興味がわ…

ウクライナ、マンモスの牙の地図

十年ほど東京都市大学(旧名、武蔵工業大学)という大学で地理学の非常勤講師をしている。 今年もそろそろ来年度の講義準備をと用意し始めたところで、毎年、世界最古の地図の一つとして、ウクライナの「メジリッチ図」を紹介していることを思い出した。 196…