酒徒行状記

民俗学と酒など

【2023年12月前半】今月の一日一論文

 2023年11月の半ばからはじめた一日一論文。基本平日のみではあるが、1か月続けてやることができた。

 2023年12月前半のまとめ。ひと月分でまとめてようと思ったが、一つの記事があまりに長くなりすぎるので、半月ごとにする。また今回からタグをつけた。

 ここら辺はいろいろ試行錯誤。

立川、慶州苑(今回紹介する論文とはあまり関係ありません)

なおアイキャッチ写真は立川の焼肉屋。慶州苑。今回紹介した論文の<たまラーメン館>の写真が出てこなかったので、かわりに、私が立川で贔屓にしている焼き肉屋を載せる。ここは肉もだけど、タレがものすごい旨いのでおすすめ。

 

【滋賀関連】

小川都弘 農村工業の展開過程における職人集団の変容と技術拡散-高島扇骨業の場合

博論の滋賀の研究の一環として読む。扇の骨の調査どう進めるか…

谷口 賛  大井隆弘 『伊賀・甲賀における草葺民家の金属板の被覆状況に関する調査報告』

やはり滋賀ネタとして読む。建築ネタも好き。

以前 カエルくん(けろりん)@kaerukun_ctu さんから、屋根の破風に「水」の字を書く意味を聞かれた関係で読む。

水の字は全国的にみられる火伏の呪いなんだけど、それとは別で、滋賀の湖北から三重辺りに見られる破風の下の五角形の出っ張りについては分布が知りたい。

【参考】カエルくん(けろりん)@kaerukun_ctu さんとのやりとり

■以下本論文の概要と評

【生活改善運動】

岩本通弥 日本の生活改善運動と民俗学 

 博論のために読む、岩本通弥氏の生活改善運動関連の論文はすべて目を通さねばならぬ。

岩本通弥[問題提起]生活・日常・世相―変化を捉えるために

 同じく博論のために。ヴァナキュラーについても改めて確認、島村恭則氏の『みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ? 』も読まねば。

【歯科】

小野崎,純" レイモンド・チャンドラーにおける歯科的記述についての一考察 : 1900年代の米国歯科事情 

 歯の俗信なんかもやってるし、ハードボイルド小説はとても好み。この論文あまりアクセス数伸びなかったけど、結構面白い論文だと思う。

【地理学】

平澤 健太郎 ・牛垣 雄矢 立川駅周辺におけるラーメン店の集積の特徴とその背景

 先日立川に行ったのでついでによむ。

 たま館も一度行ってみよう。

【仏教史】

佐々木, 閑〈評論〉ブッダゴーサの歴史的位置づけをめぐる馬場紀寿氏と清水俊史氏の論争 1 (序言)

 Twitterで話題なっていた馬場紀寿氏と清水俊史氏の論争 と新書を読む。

ただ、結果的には良い新書を知ることができてすごく良かった。

 また佐々木, 閑の論争の内容の解説が非常にわかりやすく、門外漢にも参考になった。

 なお、時事物はアクセスが多く普段が一日一論文のツイートの表示回数は100~1000くらいなのに、3500件となった。

 

清水俊史 『ブッダという男-初期仏典を読みとく』

佐々木閑 〈評論〉ブッダゴーサの歴史的位置づけをめぐる馬場紀寿氏と清水俊史氏の論争 2

博物館学

桒原 (くわはら)良輔 , 仲間 信道, 野田 聖 「図鑑 日本のむかで」 — 本書の問題と解決すべき課題 

 じつは先の仏教史の論争の同時期に、理系の方で話題になっていた論文。時事物を続けて扱ってアクセス数稼ぎをしたわけではないよ(ちなみにはアクセス数はそこまで多くなかった。やはりムカデはみんな興味ないのかしらん)

 アカハラもだけど、こちらの「誤りの多い事典」問題は研究としては重篤な問題な気がする。

 

 

 

以上が2023年12月前半の一日一論文。

このまとめ、正月休みに一ケ月分をまとめて作ったけど、普段からちまちま作った方が楽だな…一月からはそうしよう…