酒徒行状記

民俗学と酒など

【作成中・いずれ追記】湯島聖堂の中国料理研究部をめぐって(1)中国料理研究部を主宰した原三七について

" id="はじめに">はじめに " data-en-clipboard="true"> 先日、ヒロオカ@shirlywang氏(広岡今日子氏)が、幼少期、湯島聖堂の中国料理研究部で食事をされた写真とツイートをtwitterに上げられた。 昔湯島聖堂で中国料理を出していたというのはほとんど伝説…

日本中国白酒協会のイベントに潜り込むの記

はじめに 最近、中国の現地味の料理が割と手軽に食べられるようになった。 従来日本人がなじんでいた広東や福建料理の味や、ジャパナイズされた餃子・ラーメンとは違う現地味の中華、いわゆる<ガチ中華>の店が増えてきた。また、激辛と花椒のしびれる味「…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(7)-鹿の胎児(ハラコ)を食べる意味

1.鹿の胎児(ハラコ)を食べる意味 さて、長々と書いてきた鹿の胎児(ハラコ)を料理するシリーズであるが、いよいよ最後に、まとめとして、なぜこの文章を記そうと思ったか、個人的な見解を記したいと思う。 日本・中国において鹿の胎児を食することは、生…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(6)-実食、酒香鹿胎山薬湯(ヂウシャンルータイシャンヤオタン)!(『鉄鍋のジャン』のノリで)

承前 前回、「 鹿の胎児(ハラコ)を料理する(5)-幡ケ谷龍口酒家の鹿の胎児と蛇のスープ - 酒徒行状記」で、料理の大まかな方針を立て、また龍口酒家のアドバイスをいただいた。 いよいよ、レシピの確定と調理・実食である。 ※なお、今回は調理前の食材…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(5)-幡ケ谷龍口酒家の鹿の胎児と蛇のスープ

承前 鹿の胎児(ハラコ)を料理するということで、日本、中国の鹿のハラコ食の文化を見てきた。 日本においても伝統的には、生薬または儀礼食として鹿のハラコを食する文化は存在し、また中国においても鹿の胎児は漢方薬の一種として珍重されてきたことが分…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(4)-「全鹿宴」と鹿料理

承前 前回「鹿の胎児(ハラコ)を料理する(3)-漢方薬「鹿胎」 - 酒徒行状記」で、中国における鹿のハラコの利用法として、漢方薬として利用と料理方法を確認した。 今回はハラコだけでなく、中国料理における鹿料理を確認することで、中国における鹿のハ…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(3)-漢方薬「鹿胎」

承前 さて、「 鹿の胎児(ハラコ)を料理する(1)-生薬とシカウチ神事 - 酒徒行状記」、前回「鹿の胎児(ハラコ)を料理する(2)-ジビエブームと鹿のハラコ料理 - 酒徒行状記 」で日本での鹿のハラコの利用について、調査をしてみたが、お隣中国ではど…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(2)-ジビエブームと鹿のハラコ料理

承前 さて、鹿の胎児(ハラコ)を料理する(1)-生薬とシカウチ神事 - 酒徒行状記 で見た通り、日本においても伝統的には、生薬または儀礼食として鹿のハラコを食する文化は存在したようであるが、現在のジビエブームにおいては鹿のハラコ料理はどのように…

鹿の胎児(ハラコ)を料理する(1)-生薬とシカウチ神事

はじめに カフェバー『BASECAMP』 www.cafe-basecamp.com のマスターA-sukeさんから「ハンティングで鹿を仕留めたら、妊娠していて腹に胎児(ハラコ)が入っていた。このままだと捨ててしまうけど、料理して食わないか?」とお誘いを受けた。 A-sukeさんは、…

Messieurs ç'est L heure(紳士諸君(禁酒法の)時間だ)-アブサン禁止令を皮肉ったポスターより

アブサン話続き。 1.カクテルとアブサン 以前、大正時代のカクテルレシピブックを研究した時*1、カクテルのレシピで、アブサンが多く使われていることに気が付いた。 アブサンの一般的な飲み方としては、水で割って白濁させて飲む、あるいは角砂糖と一緒に水…

アブサンツアー

友人から、「アブサンを飲みに行かないか?」と誘われた。 聞けば友人、実は今までアブサンという酒をを知らなかったが、イギリス人の知り合いに「日本であんなにうまいアブサンが飲めるとはしらなかった。大変いい店を見つけた」と言われ、がぜん、興味がわ…

ウクライナ、マンモスの牙の地図

十年ほど東京都市大学(旧名、武蔵工業大学)という大学で地理学の非常勤講師をしている。 今年もそろそろ来年度の講義準備をと用意し始めたところで、毎年、世界最古の地図の一つとして、ウクライナの「メジリッチ図」を紹介していることを思い出した。 196…

大槻豊と大月流合気術

先の右翼と武術で、血盟団の団員(黒澤大二と小沼正)の隠匿を手助けした人物として日本皇政会の武術師範国井善弥と大槻豊の二人の武術家を挙げた。 国井は鹿島神流の宗家であり、現代でも有名な武術家であるが、もう一人、大月流武道(大月流合気柔術)を開…

【メモ・書きかけ】安田浩一『右翼の戦後史』に出てくる武術・武道関係者

安田浩一『右翼の戦後史』(講談社現代新書)読了。 読了。昭和前期から現代の右翼の歴史をまとめたもの。この本では武術家の側面にはまったく触れられていないのだけど、木村篤太郎だとか石田和外などが出てきて、武術と政治の関係性に色々気付かされる。"…

カクテル<ミリオン・ダラー(百万ドル)>の発祥は横浜か?

ミリオン・ダラーという古いカクテルがある。 ジンとスイートベルモットをベースに、パイナップル、グレナデン、そして卵白でまとめるショートカクテルである。 飲んだことはなくても、「ミリオン・ダラー」(百万ドル)という豪儀な名前が気になった人もあ…

山梨の県民性

友人(東京出身。東京多摩地域在住)が、東洋経済の下記の記事を見て 「恐怖の実話!悪夢と化した「夢の田舎暮らし」」(東洋経済2018/07/07 8:00 清泉亮) https://toyokeizai.net/articles/-/228325 「「山梨県人の歩いた道にはペンペン草も生えない」という…

歯ブラシ職人田辺重吉伝

最近更新していなかったので短い記事をば デイリーポータルZの記事で「磨きやすい歯ブラシ 極 」という歯ブラシが勧められており、試しに買ってみたが、すごく使い勝手がいい。気に入って何本か買い増ししてしまった。 dailyportalz.jp さて、この歯ブラシ、…

楊州飯店食単(4)湯の部、飯・麺の部、点心・甜点心の部

楊州飯店食単第4回。今回は湯と飯・麺・点心・甜点心まで書こう。 楊州飯店食単p.2 湯1 楊州飯店食単p.3 湯2 ところで、みなさん中華料理屋にいって湯、頼むだろうか? 私は湯は量が多いので、一人では持て余してしまって、大きい宴会でもないとあまり頼ま…

楊州飯店食単(3)鶏鴨蛋の部、豆腐・蔬菜の部

ここのところ4、5日、胃腸炎でくたばっている。 幸い新型コロナではなかったので良かったが、病を得ると気が弱るせいなのか、少し小康を得ると、床についたまま、最近愛用のkindleで読み易い本ばかりを読んでは寝てを繰り返していた。 その中に、むかし読ん…

楊州飯店食単(2)魚貝、鶏肉、肉・牛肉

先の記事(「楊州飯店食単(1)前文&冷盆」 http://sake-manga.hatenablog.com/entry/2020/06/01/183220) を書いたところTwitterで何人の方から、「店の事を覚えている」「懐かしく思った」という感想をいただいた。 大変ありがたい感想で、励みになると共…

楊州飯店食単(1)前文&冷盆

ここのところ中華料理ばかり食っている。 一昨昨日は台湾料理屋で鶏葱麺、一昨日は四川料理で先輩と宴会だったし、昨日は炸鶏排定食、今日は刀削炒麺であった。 もともと中華料理好きなのに加えて、コロナで家で逼塞していた反動、職場の近くに大変うまい台…

モンキー・ハンティング

月刊愛農という雑誌がある。 その中の連載コラムに農家の方の愛用品を取り上げるコラムがあるのだが、2016年1月号を見ていたら、愛用品 東京マルイ電動ガン ヴェータ・スペツナズ 参考価格32000円’(バッテリー・生分解性BB弾含)がでていた。 www.tokyo-mar…

沖田総司の三段突

Twitterで剣術の突き技の話が出ていて、「そういえば、沖田総司は三段突きが有名だけど、あれはどこら辺が出典なんだろう。」と疑問に思った。 というのも、「三回も突くなら一回で決めろよ」というのと、「突き技三回繰り返すより、バリエーション混ぜた方…

酒徒六合流

酒徒六合流(しゅとろくごうりゅう)とは、酒徒吉風が吞酒流(どんしゅりゅう)、タイ酒流居酒(たいしゅりゅう いざけ)、随園八杯掌(ずいえん はっぱいしょう)、白酒光棍(ぱいちゅう こうこん)、ラキ・ギュレシ(rakı・güreş)、Drink As Drink Can(D…

タケネズミと『珍饌会』の<蜜蝍(みつそく)>

140文字では収まらぬ文になったので。久々にblogを更新する。 2020の春節を騒がせている新型コロナウイルスに関して、友人の先生から動画が回ってきた。 中国のコロナウィルスはネズミの病気らしいのでもしかして調理時に血などが付着していたせいではとか考…

2007年02月02日に見た夢『志怪小説』

昔の人のblogを漁っていたら、ふっと、自分もその昔mixiにこんな夢の記録を書いたのを思い出した。 いまだに不思議な夢だったので懐かしくここに記す―――以下転載 中国、宋代、ある町の役所に呼包義という男がいた。 呼は役所の下っ端の文官であったが、棒術…

 五月雑記

ブログもあまり更新できておらぬが、自分の備忘もかねて5月のメモをする。 すっかりはてな記法をわすれてしまった。――― ・富士五湖と南部 GWは車の練習を兼ねて石和温泉-富士五湖-南部町を走る 『ゆるきゃん』の主人公、各務原なでしこの自転車ルートは地形…

小岩の楊州飯店のこと

南條竹則氏の『ギョウザとわたし: 餃子和我』を買った。 今はなき小岩の楊州飯店の記載があり、大変懐かしくなった 「この店の自慢料理はたくさんあったが、看板に書いてあったのは、腸詰(看板には「腸ズメ」となっていた)、ビーフン、イカ団子、唐墨だっ…

神道無念流は「しんとう」か「しんどう」か

古武術の研究者で小佐野淳という人物がいる。 古武術の研究者であり、自身も武道家として著名な人物であるが、氏のブログの記載ので一つに気になった点があったので記す。 小佐野氏は、剣術流派である神道無念流の読みについて、「しんとうむねんりゅう」で…

江連力一郎と心形刀流

江連力一郎続き江連は大輝丸事件で獄中にいる間に、ステッキによる護身術を工夫し、出獄後ステッキ術に関する本を出版している。国立国会図書館 デジタルコレクション 江連力一郎 『ステツキ術』 http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1211788この本の序では…