酒徒行状記

民俗学と酒など

楊州飯店食単(4)湯の部、飯・麺の部、点心・甜点心の部

  楊州飯店食単第4回。今回は湯と飯・麺・点心・甜点心まで書こう。

 

楊州飯店食単p.2 湯1

楊州飯店食単p.2 湯1

 

楊州飯店食単p.2 湯2

楊州飯店食単p.3 湯2

 ところで、みなさん中華料理屋にいって湯、頼むだろうか?

 私は湯は量が多いので、一人では持て余してしまって、大きい宴会でもないとあまり頼まない。

 楊州飯店でもやはり同じで、一人や少人数で行ったときは頼まず、宴会の時ばかり湯を頼んでいた。 そして宴会の時は、たいていメニューに載っていないスペシャルメニューが出るので、実はここに出ている湯料理はほとんど食べたことがないのだった。

 後年、台湾の淡水で魚丸湯のうまさに目覚めたけども、楊州飯店に通っていた時はまだ湯の良さをしらなかった。

 楊さんの魚丸湯もきっと美味しかったろうと思う。

 楊さんの湯で覚えているのは宴会で出された、蛇のスープである。

 当時まだ、蛇を食べたことがなく、生臭いものかと思ったが、臭みやくせはなかった。

 湯ではあるが汁気の多い茶碗蒸しみたいな料理で、中華ラーメン用の大きなどんぶりいっぱいに盛られたものであった。これも湯なのかと思って食べたのだった。

 蛇の効能があったかどうか、ただ、冬の寒い時の宴会だったが、湯であったまったのを覚えている。 

 その他、すっぽんもおいしいスープであった。

 

楊州飯店食単p.3 飯・麺

楊州飯店食単p.3 飯・麺

 

 飯・麺はやはり、魚醬チャーハンと魚醬焼きそばの思い出が強い。

 そもそも当時はタイ料理以外で魚醬を使っているのを見たことなかったし、ナンプラーともまた違う魚醬の味に衝撃を受けたのだった。

 あの味ににた魚醬チャーハンにはまだ出会っていない。やはり台湾の味なのだろうか?いずれ台湾に行って、似た魚醬チャーハンを探してみたいと思っている。

 今メニューを見ると、カレーなどもあったようだが、「ここでカレーというのもなあ」と思ってついぞ頼まなかった。

 

楊州飯店食単p.4 点心・甜点心

楊州飯店食単p.3 点心・甜点心

 点心・甜点心の部。ここではビーフンの味が忘れられない。主に私がいただいたのは焼きビーフンであったが、柔らかい、砕けるようなビーフンがたれの味と絡まって大変にうまかったのを覚えている。

 焼きビーフンはよく宴会のお土産で持ち帰りさせてもらった。大体〆位にビーフンが出てくるのだが、そのころにはだいぶ腹がいっぱいになっていて、とても食い切れず持ち帰るのが常であった。

 翌朝、もちかえった、ビーフンをつまみながら、昨晩の宴会の楽しかったことを思い出すのもまた良いものだった。 

 デザートは大抵仙草ゼリーだった。愛玉子も何度かいただいたが、楊州のデザートといえば丼いっぱいの仙草ゼリーのイメージが強い。

  仙草(Xiancao)は「田草」・「涼草」などと呼ばれている中国原産のシソ科の植物である。これを重曹と一緒に煮詰めるとゼリーになり、砂糖シロップや蜂蜜をかけて賞味するものである。

 少し苦いような、漢方の草の香りのするようなもので、甘味としてはものすごく旨いものではないが、なんとなく宴会でつかれた胃の腑が落ち着くような味であった。

 聞けば、広州あたりではゼリーではなく茶として飲むこともあるとのこと。これも一度飲んでみたいものである。

  参考  センソウ - Wikipedia