酒徒行状記

民俗学と酒など

『フェニー』を呑む

正月の祝い酒に父親が「フェニー(fenny)」という酒を出してきた。
フェニーとはインドのゴアで造られる地酒で、ココナッツやカシューナッツを原料として造られる蒸留酒であるらしい。(参照http://www.bekkoame.ne.jp/ha/proof/menu/others/OTHER_fenny.html等)

私が今回飲んだのはココナッツを原料とするもので、父親が1985年ごろ仕事でインドに赴任していたときに買ったものなので、20年ものということになる。
父親の話だと、買ったときに別の銘柄を呑んだが、ひどくクセがあってあまり旨くなかった。それがあって封を切らずに今までおいてあったのだという。

 酒の色はウイスキーのような茶色。かなり濃いブラウンだ。
 封を切っても匂いはたたないが、グラスに注いだ瞬間、ココナッツから来る甘い匂いがする。ただし甘ったるいいやな匂いではなく、少し焦げた感じのとてもゆったりとした良い匂いである。
 口に含むと、「瓶内で熟成される前はかなりやんちゃ味わいだったのかな」と思わせる強めのアルコールを感じるが、喉を通り抜ける味わいは、旨いウイスキーか何かを飲んでるような、まろやかな味わいで、ほんのりとココナッツかなと思わせる風味が残る。
 ついもう一杯呑みたくなる酒である。あまり旨くないどこじゃない、旨いよ、これ!

 20年寝かしたのが良かったのか、元から旨い酒だったのか…
 それにしても世界にはいろいろ知らない蒸留酒があるものである。今年も良いお酒と巡り合いものである。