酒徒行状記

民俗学と酒など

二宮ひかるの酒観に関する考察

 何度かコメントを頂いているLettusonlyさんのところの『ある二宮ファンの日記』(http://d.hatena.ne.jp/Lettusonly/
の2005年1月17日(http://d.hatena.ne.jp/Lettusonly/20050117)と18日の記事(http://d.hatena.ne.jp/Lettusonly/20050118)で二宮ひかるハネムーンサラダ』と酒に関する話題が上げられていた。
 酒好きで二宮好きの私としては当然ながらトラックバックを送らせていただく。


 二宮ひかるについての説明は、はてなのkeywordを参照していただくとして、18日のLettusonlyさんの意見では「『ハネムーンサラダ』の三巻のおまけ漫画で酒量が多いのは遙子<みのりん<一花という設定だが、本編じゃほとんど生かされた事が無かった様な」と言う意見であった。


 これに関連して、実は二宮先生は「酒自体はそんなに好きではないけれど、宴会の雰囲気は好き。また、呑んでもあまり強くない」方なのではないかと私は推測している。
 というのも作品全般を通して、酒を飲むシーンは多く出てくるものの、酒そのものを味わって呑むというシーンというのはほとんどないように思われるからだ。


 作中に出てくる酒を飲むシーンとしては、

 ・職場(学生なら学校)の歓送迎会や同期会、または打ち上げ:『抱きしめたい』(「誘惑」収録)・『ソノ時、彼女は・・・?』(「ふたりで朝まで」収録)・『二番目の男』『復讐のように』(「復讐のように」収録)・『ナイーヴ』(田崎と同僚三人での飲み会など)

 ・男女二人でのデート:『ナイーヴ』(「田崎と麻衣子」。田崎が飲み屋で麻衣子に水をかけるシーンなど)・『乱れる』(「復讐のように」収録)


などが挙げられるが、どれも登場人物が一人で酒を呑むことは無く、宴席の雰囲気は描かれているが、何を呑んでいるかという描写はほとんど描かれないのが常である。例外は「いつわりの恋」の真潮くらいだが、これも厳密には一人きりの独酌ではない。
 特に、男女で共に食事をすることに対しては『リプレイ』『ナイーヴ』などで、男女間の距離や感性の違いを示す重要なワンシーンとして描かれるのに対し、宴会や酒席のシーンはそんなに重要度は置かれていない

 また、酔いに対しても、『酔いつぶれる』姿はよく描かれるのだが―酔いつぶれて相手に転がり込むというシチュエーションが類型化されてあるようにさえ思われる―、ほろ酔いの姿は『最低』の「白石と松井幹子の飲み会のシーン」や『二番目の男』などが、かろうじてその状態を描いているのかと思われるシーンとしてあるくらいである。これらのシーンも厳密に酔いがある程度回ったとはっきり書かれているわけではないので、なんとも言えない。


 以上の点から、「酒は自分で一人で呑んだりするほど好きではなく、酒量も強くないが、宴会などの雰囲気が比較的好き」な作者の人物像を妄想しているのだが、如何なモンでしょうか?識者の意見を待つ。