酒徒行状記

民俗学と酒など

楊州飯店

 この日、楊州飯店で宴会をする。私の快気祝いだというのに、自分で店を決め、参加者の調整をし、予約を入れなきゃならんかったが、この楊州の料理が食えるならば、文句は言うまい。
 宴席の料理-豚の腸詰・烏賊団子・唐墨・珍珠丸子・蛇の茶碗蒸・セロリと烏賊の炒め物・蒸し豚・エビチリ・トマトと卵の炒め物・銀杏と袋茸の炒め物・仙草ゼリー
 
 なんだか、字にすると恐ろしげな料理もいくつかあるが、どれも美味であった。
 やっぱり量が多いのは相変わらずで、結構テイクアウトで持ち帰ってしまった。
 また、もってかえったやつを温めても旨いんだこれが。

 南條風ジャガイモ麺なんてのが新メニューであった。南條風とは『酒仙』『あくび猫』等の作者の南條竹則氏である。酒星のしるしを帯びた酒仙の活躍を描いた「酒仙」ではこの店の裏は仙界に繋がっていることになっているのだ。
 私がこの店を知ったのも南條氏の作品を読んだためであった。
 何度かこの店に足を運ぶうちに、何度か店で南條氏に遭遇し、御目見得できたのは僥倖もあった。

 今回は南條氏に会うことはなかったが、店のおばさんによると「南條さんは一ト月ばかり来てないから旅行にでも行ってるんじゃないの?」との由であった。
 ぜひ、もう一度お会いして、料理の話を伺いたいものだ。