酒徒行状記

民俗学と酒など

伝説なき地

 NHKの『大自然スペシャル南米マラカイボ湖 謎の閃光を追う』を見た。
 番組はベネズエラのマラカイボ湖で「マラカイボの灯台」と呼ばれる謎の発光現象を追うものだが、見たのにはわけがある。
 それはちょうど先日読んだ船戸与一の『伝説なき地』の舞台がマラカイボだったからだ。
 「伝説なき地」はベネズエラの涸れた油田地帯にレアアースが発見され、その土地を巡る土地の地主と油田に住み着いた難民との争いに、第三世界による革命を目指す日本人やならず者たちが巻き込まれていく話だ。
 作品ではよく雷鳴がシーンに出てくるが、番組を見るとマラカイボ湖周辺は雷の発生地帯らしい(ちなみに「マラカイボの灯台」も雷ではないかと推測されている)。
 油田に住み着いた難民もあんな家に住んでたのかしらんと、作品のイメージがふくらんで、いい番組であった。