酒徒行状記

民俗学と酒など

二又商店街

 季節外れの陽気に誘われたので大江戸線落合南長崎に行ってみた。定期の期限が切れる前に、普段降りた事のない駅で降りてみようという腹である。
 目白通りを新宿方向に歩くと古い商店街があった。二又商店街とある。目白通りと二又になる形で分かれているからついたのだろう。
 古びた商店街。バラックのような建物の脇に、子育て地蔵があった霊験のほどは知らないが(今霊験があっても、独身者の私には困る話だが。いずれ世話になるかもと手は合わせて於いた)、隣のバラックとあいまって、少し鬼気迫る感じであった。
 商店街は、ほとんどがシャッターを下ろしているが、床屋・蕎麦屋が多いのが目立つ。そのほか珍しいのは日本加除出版の本社があったり、印刷屋また包装用の紙箱の会社があった。途中に「電話専門 鈴電」という電話の加入権なんかを扱っていたと思しき会社があった。今となっては懐かしい商売である。
 途中酒屋で晩酌用の酒を探しに行ったところ、実家周辺の光が丘では見た事のないスコッチが安く売ってて驚く。vat69(1050円)・Famous grouse(1040円)・highlander's friend(850円)。一番安いハイランダーを買う。
 古い道らしく、なんだか武蔵野の旧家らしい家の前を通る。
 駅に戻るはずが、行き過ぎてしまい新江古田に行く。
 古びたよい商店街であった。