酒徒行状記

民俗学と酒など

モーションランプ

 会社の同僚数人で忘年会のビンゴ大会の景品を買いに渋谷に行った。忘年会は職場の近くのイタメシ屋を借り切ってやるらしい。豪儀なことである。月々高い会費を納めた甲斐もあろうというものだ。

 幹事にねだって、モーションランプを景品として買ってもらう。
 モーションランプ(別名Lava Lamp)は筒状の容器に中に溶液と溶液と混ざらない油のような液体を入れたもので(油は球状になる)、その油を下から加熱することで、油球が浮いたり沈んだりするのを鑑賞するオブジェである。(参照http://www.exp.org/lavalamp/lavalamp1.html
 学生時分、高田馬場のガーリックチップスというフライドポテトの旨いバーで呑んでいた時に、店にあって、ずっと欲しいなあと思っていたのである。
 給料が入るたびに、一番安いビフィーターをボトルをで入れて、フライドポテトを抓みながらストレートかロックで呑み(カクテルにすると料金ががかかってしまうのでカクテルは二杯までと決めていた)、酒による多幸感に浸りながらそのモーションランプを眺めるのが、私の学生時代唯一の贅沢であった。
 他の同僚が選んだのは人生ゲーム・入浴剤・卓上ランプなどであった。
 他のもんはいらんから、なんとかしてモーションランプを当てたいものである。