酒徒行状記

民俗学と酒など

銀河通信

 ラジオドラマで思い出したのだが、谷山浩子を知ったのもこのラジオドラマであった。作品名は忘れたが、EDに「銀河通信」と「うさぎ」が使われていたのだ。

 このうち、「銀河通信」なのだが、精神医学者でSF評論家の風野春樹氏がこの歌と絡めて、ブログ論を述べている(『読冊日記』2003年5月29日http://homepage3.nifty.com/kazano/200305c.html)。いくぶん出尽くした感のある、数多のブログ論のなかでなんだか、唯一自分が納得したのがこの論であった。
 すなわち

きわめて間接的で淡々としたコミュニケーション。日々誰に向けているのでもないテキストを淡々と書き、そしてどこかにそれを読んでくれる読み手がいる、ということに心を癒され、直接感想メールが来たりすると、かすかな苛立ちを感じずにはいられないような、そんな「コミュニケーション」。
 それは、アメリカ人からすればコミュニケーションの名にすら値しないようなものなのかもしれないのだけど、「それはどこか宇宙の果ての知らない星からの長距離電話」(谷山浩子「銀河通信」)であり、「誰でもない他者」からの「あなたがここにいること」への承認のメッセージなのだ。だからこそ、誰が読んでいるかはわからないけれど、「もしもし見知らぬ私の友達 私はちゃんと歩いています」(同上)と日記を書くのである。

である。
この言葉を励みに、今後もこのブログを綴っていこうと思う。