酒徒行状記

民俗学と酒など

小鹿野のこんにゃく

 今回行った小鹿野には古武道の合宿の他、大学の恩師に民俗学のフィールドワークに連れてきてもらったこともあった。(昨年の正月の古鷹神社の門松準備の写真はその際の調査のもの)
 ここら辺の地域は群馬に近いせいか、こんにゃくが名産で、泊まった宿の料理もこんにゃくや地でとれた山菜・山魚をメインにしている。(なお、小鹿荘の料理は、総て地元の郷土料理を旅館の料理として洗練して出すもので、そんじょそこらの民宿の食事とは一線を画すものであり、非常にお奨めである。)
 この調査で面白かったのは、同じ地域の大字皆本と呼ばれるとこで、こんにゃく室(こんにゃく芋は、冬場は畑から室に移して越冬させる。そのための室)を見せてもらったことである。
 もとは蚕部屋であった母屋の二階に、新聞紙を天井や壁に保温の為に貼り巡らし、部屋一面にこんにゃく芋を詰め込んだこんにゃく室の様子は何とも圧巻であった。また、このときに手作りのこんにゃくを刺身にしていただいたが、これもまた、普通の刺身こんにゃくと違って、なんともいえないコクがあって旨かったのをはっきり覚えている。