本ページからご覧の方は、中国酒「白酒(バイジュウ)」初めての人でもわかる読み方辞典(序)からご覧ください。
中国では1952年に「国家酒評定会」という会が行われ、貴州茅台、山西汾酒、四川瀘州大曲酒、陝西西鳳酒の4つが「優秀」とされ四大銘酒と呼ばれるようになった。
四大銘酒の一つ貴州茅台シリーズは1で説明したので、そのほかの酒を。
【四大銘酒の参考】 中国の白酒。四大銘酒(名酒)、八大銘酒、十七大銘酒、乃木坂四十六 - 牛込・神楽坂 酒問屋 升本総本店の別館「涵清閣」 主人が語る
1.四大銘酒(茅台を除く)
・汾酒
ピンイン:fén jiǔ
ピンインカタカナ表記:フェンヂウ
日本語漢字表記:汾酒
日本語慣用読み:ふんしゅ/ふぇんちゅう
備考:山西省の酒。南條竹則先生は小説『猪脚精』で「火のような」と例えた。
たしかに度数53度でアルコールが少し高め。ただ、これを山西亭の山西省の料理と合わせると、麺料理で少しくちくなった口がさっと洗われて、またいくらでも麺料理が食べられる。
白酒もほかのお酒と同じく、地元のものに合わせるとおいしいという好例である。
・古井贡酒
繁体字表記:古井貢酒
ピンイン:gǔjǐng gòngjiǔ
ピンインカタカナ表記:グージンゴンヂウ
日本語漢字表記:古井貢酒
日本語慣用読み:こせいこうしゅ
備考:安徽省産の酒。曹操が皇帝に献上したといういわれがあるけど、後漢の献帝に献上したのかしらん。ただし貢酒という名称は、明、清の二代にわたって朝廷へ献上したことからついたとのこと。
まだ飲んだことがない白酒。
・西凤酒
繁体字表記:西鳳酒
ピンイン:xīfèng jiǔ
ピンインカタカナ表記:シイフェン ヂウ
日本語漢字表記:西鳳酒
日本語慣用読み:せいほうしゅ
備考:陝西省産の酒。これもまだ飲んだことがない。名前がかっこいいので一度飲んでみたい。
2.八大銘酒の一部
やはり、「国家酒評定会」には八大銘酒、十七大銘酒というのもその後定められている。どうもこれ文献によって構成が違ったりする。
まあ品評会なので、年によっても異なったりするのだろう。
いずれの文献でも必ず入っていて、かつ、現在の日本でも見かけるものを挙げる。
・剑南春
繁体字表記:剣南春
ピンイン:jiànnánchūn
ピンインカタカナ表記:ヂェンナンチュン
日本語漢字表記:剣南春
日本語慣用読み:けんなんしゅん
備考:四川省の綿竹県の産。まだ飲んだことがないのだけど、三国志で、綿竹は蜀の最後の防衛ラインとして有名だし、名前がかっこいいので気になっている。剣南は綿竹が剣山の南に位置することからの名称。
「春」は唐代に「剣南、これ春を焼く(作る)」と詠まれたことから。良い酒銘である。
・郎酒
繁体字表記:郎酒
ピンイン:láng jiǔ
ピンインカタカナ表記:ランヂウ
日本語漢字表記:郎酒
日本語慣用読み:ろうしゅ
備考:瀘州市古藺県の産。池袋の友誼食府で売っているのをよく見かけるがまだ飲んだことがない。小瓶今度買ってみよう。
この酒造会社の訪問記はこの記事が詳しい。
・泸州老窖
繁体字表記:濾州老窖
ピンイン:lúzhōu lǎojiào
ピンインカタカナ表記:ルーチョウ ラオジァオ
日本語漢字表記:濾州老窖
日本語慣用読み:ろしゅうろうこう
備考:窖は白酒を蒸留する穴のこと。白酒は固体発酵という特殊な発行をするので、桶やタンクで発酵させるのではなく、土に掘った穴で発酵させるのである。いい窖は良い菌がついていて、よいお酒ができる。
赤坂には望蜀濾という旨い四川料理屋があるが、ここで出るのがこの白酒であった。 たぶん店の名前にも濾があることから、オーナーは濾州の出身かもしれない。
このお酒、この店の火鍋にはよくあって、みるみる一本開けてしまったのを覚えている。
なお、濾州老窖には上位のものとして国窖1573というのがあるが、これはまだ飲んだことがない。16世紀から使われる窖の酒、一度飲んでみたい。
・明江四川白酒
繁体字表記:明江四川白酒
ピンイン:míngjiāng sìchuān báijiǔ
ピンインカタカナ表記:ミンジャン スーチョン バイヂウ
日本語漢字表記:明江四川白酒
日本語慣用読み:めいこう しせんばいじう
備考:これは八大銘酒ではないけども、瀘州老窖が海外戦略商品として輸出専用に開発したブランドとのこと。
Amazonでは売っているが、友誼食府などではみたことがあまりない。このため飲んだことがない。
・洋河大曲
繁体字表記:洋河大麯
ピンイン:yánghé dàqū
ピンインカタカナ表記:ヤンハー ダーチゥ
日本語漢字表記:洋河大曲
日本語慣用読み:ようが だいきょく
備考:江蘇省の白酒。江蘇省は紹興酒のイメージもあるが、白酒も造ってるの知らなかった。
かねてより飲んでみたい酒の一つだったが先日の中川正道氏のイベントで初めて飲む。少し甘口であった。