酒徒行状記

民俗学と酒など

串政

 友人と池袋で待ち合わせて焼鳥を食いに行った。
 先日、ひょんなことで迷惑をかけてしまい、お詫びということで奢ることになった。

 場所は西口の串政。東口にも系列店があるのだが、西口の方が少し客の年齢層が高めである。
 この店は焼鳥も旨いのだが、ありがたいのはビールの大ジョッキがでかいのである。以前、あるファミレスでビールとサンドイッチを食ったが、ここのビールのジョッキを見るといかに、ファミレスのビールが量も少なく値段も高く、札束を呑んでいるようなものだと感じる。
 また、酒も面白いのがあって、「しろ」と呼ばれる、マッカリの廉価版みたいな酒もおいてある。マッカリのようなコクや味はないが、軽く安気な味ですいすいと呑める。
 ナンコツ・砂肝・正肉・納豆巻なんかを頼む。ここの納豆巻きは鶏のつみれに刻み納豆を混ぜて串に刺し、海苔を巻いて焼いたもので、臭みはなく、納豆の味わいがなんともオツである。
 「しろ」をコップに注ぎながら友人と納豆巻きの旨さについて熱い議論を交わした。家でもできるものだが、不思議と家で作ろうとは思わないメニューである。同様なものに油揚げに納豆を入れて揚げると言う料理があるがアレも不思議と家ではしない料理である。私は不幸なことにこれの旨いものを食ったためしがない。
 以前東北の郷土料理で納豆入りの味噌汁というのを見て、家で拵えたことがあったが、関西系の私にはどうもなじめない代物であった 
 やはり納豆は御飯にかけるのか、この納豆巻きに限るようである。