酒徒行状記

民俗学と酒など

冬目景原画展

syuto-yoshikaze2006-03-05

というわけで、表参道の冬目景展にいってきた。
 ヘマをやって地図を忘れてしまい、駅から20分くらい青山通りを渋谷の方へ歩いたり、一本入った裏道をうろうろしたりと道に迷ってしまった。
 でもお陰で、「オサレな街」ということで普段は敬して遠ざけている表参道〜青山界隈に少し土地鑑が出来た。噂どおりデザイン系のメーカやプロダクションが多そうなオサレな街でしたよ。歩く人も、今風な洒落た格好の人が多かったような気がしたものだった。
 
 さて、原画展会場。
 某巨大掲示板冬目景スレで話題になっていた通り、私も含めて会場はオタクな雰囲気の野郎ばっかりであった。(*´∀`)人(´∀`*)ナカーマ、イッパーイ。
 ただ、たまたま一組カップルが来ていたが、こちらは男の方ではなく、女性の方が、会場入り口のポスターを携帯カメラに収めるなどして、熱心なファンであるようだ。
 女性ファンも少なからずいるという証左になるだろうか。

 さて、会場。
 実は冬目景の作品は『イエスタディをうたって』『僕らの変拍子』くらいしか読んだことがなかったのだが(作品の進みが遅いんで、完結してから読もうと思ってたらなんか取り逃がしていて・・・ファンの方すみませぬ)、今回、絵を見ると、印象的な「目」を描く作家だなあと思った。描かれた人物の楽しさ・悲しさ等の感情がその人物の「目」でもってよく描かれている気がする。

 『羊のうた』の髪の長い主人公を水色がかった背景で描いた絵(各絵にはタイトルはついていなかった。これは雑誌のポスターになった?)・『イエスタディ〜』のハルとカラスを油絵で描いた絵・見つめあうハルとカラスを水彩画で書いた絵(CDのジャケットになっている絵)の3点は印象的で良いなあと思った。
 とくに『羊のうた』は吸血鬼を扱った伝奇的・幻想的な話だと聞いていたが、儚げな絵で、なんだか応挙かなにかの幽霊画に相通ずるものがあるように感じられた。この絵をモチーフに怪談話が一本書けるんじゃないかしらん。
 
 あと、今回の展覧会のポスターにもなっている「HA・SA・MI」の絵(これのみタイトルあり。写真参照)も、ちょっとおどろどろしい雰囲気の絵で、面白かった。「HA・SA・MI」という絵はもう一点同名の絵が出展されていたがこれは「紙」ではなく、女性がで自分で前「髪」を切る絵であった。全体、今回の展覧会では、このポスターの絵といい、前髪を切る女性の絵といい、女性の妖艶さを示したものが多かったように思われる。
 いままで、未読だった冬目の伝奇物をこれを機に読んでみようと思う。まずは先年完結した『羊の唄』からじゃ。
 あと、余談ながら、『ACONNY』の主人公と父親(?)の絵の背景をよく見ると「CTULHU」「NECRONOMICAN」の文字が・・・これってクトゥルフ物だっけ?

 原画展を見た後は入場料を払った際に貰ったコーヒーチケットで。このチケットにも冬目のキャラ「ハル」の絵が描いてあって、ちょっと得した気分である。
 ありふれたコーヒーとスコーンを食ったが、朝飯を食いそびれて腹が減っていたこともあり、ひどくうまく感じられた。