いくつかのニュースサイトで取り上げられていたスズキトモユさんの『アキヤマニア』内のエントリ『僕の考えるブログ文章術』(http://d.hatena.ne.jp/mhk/20060306/p1)を読んでみた。
スズキトモユさんの記事は、米光一成氏『ブログ文章術』(http://blog.excite.co.jp/blog-jutsu/)をうけて書かれたもので、現在(2006年3月8日現在)4回までの連載がなされている。
意見として、インターネットを通して「趣味の合う友人が作りたい」という動機でブログを書く場合、ブログではなくMixiなどのSNSでの交流を行うべき(第1回)であるとし、そのためのブログからSNSの移行方法(第2回)・ブログに文を書いた場合、炎上する可能性(第3回)・理由もないのにアンチに攻撃される可能性(第4回)という形で論旨が展開されている。
さて、私が違和感を覚えたのは、スズキさんのSNSでの交流を勧めるくだりだ。
実は、私はこの『酒徒行状記以外』に、mixiで日記をもっているのだが、そこに何を書いていいのか見当がつかないのだ。
普通のネットの文章や掲示板などの記事は、不特定多数に見られるものである
これに対し、mixiは会員制のコミュニティであり、自分の日記や自分の掲示板は、基本的に自分が選んだ人物しか閲覧や書き込みをすることが出来ず、書き手は閲覧者をコントロールする事が出来るのが特徴である。
大抵の会員は、すでにmixiに加入している知人や友人の紹介により、mixiに加入するのである。
私も今年の正月くらいに職場の先輩から誘いを受けてこれに加入したのであった。
はじめは「ふむふむ、これが噂に聞いていたmixiか。私も日記を書いたり、コミュニティに参加したりして、ばんばん同好の士を増やすべえ」と興味深く見ていたのだが、使い始めてすぐ、恐ろしい問題に気がついたのであった。
それはmixiの日記に書いたことは、必ず自分をmixiに招待してくれた職場の先輩に読まれてしまうという点である。
たとえば私が「冬目景の原画展行ってきました。ハァハァ(;´Д`)」とか「二宮ひかるサイコー」とかという記事を載せた場合、洩れなく、その職場の先輩に自分の趣味がバレ、さらにはその先輩の友人のmixi会員(当然、同じ職場の人間も少なからずいる。ちなみに公開の範囲は友人の友人までに一応はしてある。)にもそれがバレ、職場中に自分の嗜癖が知れ渡ってしまう可能性があるのである。
これに気づいた時に、私はmixiに書くのが非常に恐ろしくなった。
当然、そういった自分の嗜癖をかかずに、あたりさわりのない「今日は何を食べた」「どこに呑みにいった」とかという文章を書けばよいという意見もあるだろう、しかしそれだって、職場の上司が見つけて「こいつは飲みにばっかりいってるから、もうちょっと仕事させるか」と判断する材料になるかもしれない。
疑心暗鬼かもしれないが、そう思うとmixiに書き込むのが非常に苦痛になったのであった。
スズキさんの意見ではmixiは
けっこうプライベートなことも書けるし、誰にも伝わらないような内容書いても咎められない。とにかく、気がらくです。
というところらしいのだが、私にとっては、むしろmixiの方が読み手をリアルに意識してしまい、気楽な文章がかけなくなっているのである。
無論、自分が書いた意見に対するコメントを得て、議論を深めていくという機能はブログよりもmixiの方がはるかに高いであろう。「趣味の合う友人」だっていっぱい見つけることも可能であろう。
ブログでどんなに自分の好みや意見を縷々と述べたとしても、そこからなかなか拡がらないのは、日々実感している。気合を入れて書いたネタほど、トラックバックやコメントもなく、リンク元も少なかったりすると、よっぽど自分の好みはものすごくニッチなのかと悲しくなるときもある。
いったいmixiで私はどのようなふるまいをすればよいのであろうか?はたしてSNSでチラシの裏的なことを書いても良いのだろうか?
mixiで記事を書こうとするたびにこの悩みに行き着くのである。
だれか、私に「mixiの歩き方」を教えてくれー!!!!