酒徒行状記

民俗学と酒など

帝京医大のカツカレー

 さてさて、診断書ももらったし、もうこの病院にくることもそうなかろうと思われる。
 せめてもの名残にここの病院のレストランで晩飯を食っていく事にする。
 入院中は食事制限もなく、自由にレストランで食べる事も出来たのだが、まずいといわれる病院食も普通に美味しくて、あえてここに来る事はなかった。見舞い客の応対も、休憩室と称する自販機なんかを置いたスペースがありそこを使っていたため、レストランでコーヒーを飲んだりすることもそうなかった。
 ところが病院を退院した後、デイリーポータルZで「不謹慎を許して、美味、病院カレー」(http://portal.nifty.com/koneta04/09/18/01/)というコネタがあり、これを見た途端、ここのレストランで飯を食いたくなったのであった。

 帝京医大病院の敷地はかなり広いものの、別館などの建物配置が入り組み、迷路の様な構造になっている。
 レストランは本館の2階にあり、病院と同じくらい少し古めかしい内装になっている。
 この病院は敷地は大きいものの、古くからあるせいか病院の内装は年季が入っているのであった。特に面白いのは入院棟と本館の渡り廊下である。屋根が丸いガラス張りになってあるのだが、寒さ除けなのか何か、内側から厚手のビニールですべて覆っていて、仮ごしらえのような感じのデザインになっているのである。上手く説明できないが、なんとも昭和40年代のようなレトロな特撮ものの古めかしさなので、是非、外来で行く方も一度見てみると良いかと思う。

メニューを見ながら何を食うか少し悩み、決心してカツカレーを頼む。
上記のデイリーポータルZの記事ではカレーピラフを食っていたが、私はピラフかカレーか悩み、結局第三の選択でカツカレーにしたのであった。

 空いているせいか、あっという間に付け合せのサラダが出される。サウザンドドレッシングというのだったか、酸味のあるドレッシングがかかっている。業務用の安心して食べられる定番の味だ。丁度食べ終わった時に、カツカレーが出される。病院食的な辛くともなんともないカレーかと思っていたら、思ったよりもスパイスが効いている。

 普通に旨い。
 
 カツは多少小さめだが、少しパサパサ気味な肉の硬さがルーとあってなかなかだ。衣もサクサクして、ルーが染みて柔らかくなる様が楽しめて良い。
 病院で食うというとなんだか味気ない雰囲気だが、なんとなく洋食を食ったという気分にさせられた。入院している間は、時折、辛いものが食いたいとか肉が食いたい、油もんが食いたいという衝動にかられたが、そん時にここにきていればよかったと思った。